理念

1. 保守

私の政治理念は「保守」です。
革新の反対として守旧派や現状維持派と誤解されがちですが、
決して必要な変革を否定する理念ではありません。

私がなぜ保守なのか、私が大事にする理念を是非聞いてください。

保守主義は、三つの理念から成り立っています。

一つ目は、「汝、自らを疑え」と為政者(政治家)に対し、自らの能力を過信せず、失敗するリスクを考えて、常に慎重に政治を行うことを求めています。

二つ目は、「社会を有機体と捉えよ」と為政者に対し、花を傷つけると簡単に枯れてしまうように、社会も些細な事から崩壊することを肝に銘じ、政治を行うことを求めています。

三つ目は、上記の二つの理由から、変革を行う時は、「漸進主義」をとり、失敗した時に後戻りできないほどの急激な変革は慎むように求めています。

一言で言えば、「国家は儚いものと心得よ」
保守主義とは、変えるか、変えないか、ではなく、どう変えれば失敗しないかに重点を置く政治理念です。

保守主義は中世以降イギリスで発展したと言われています。建国して間もない国ではなく、受け継いできた国をどう引き継いでいくかが重要となる伝統国家イギリスで保守主義が発展したことは当然ともいえます。
私は、この保守主義の理念は、我が国において政治を行う際にもとても有用だと考えています。

何故なら、我が国は現存する世界最古の国家だからです。

我が国は、文字がない時代から続いていますが、さかのぼれる史料からみても、少なくとも1200年以上は続いている国家です。イギリスの比ではありません。
我が国こそ、受け継いできた国をどうしたら持続できるかが最も重要な国だと思うのです。
しかし歴史を振り返っても、人類は国を持続させることが得意ではありません。変革によって滅びた国、変革ができずに滅びた国、いずれも枚挙に暇がなく、歴史の教科書に出てくる中世以前にできた国は、我が国を唯一の例外として全て滅びています。
国が滅びるということは、為政者のみならず、国民の生活も守られないということです。だからこそ、現代の我が国を担う為政者は、失敗するということは1200年以上受け継いできた国を滅ぼす可能性があるということを肝に銘じて、我が国を育み、受け継いできた先人達、そしてそれを引き継ぐ次世代のためにも、責任ある国家運営が求められると思います。

現存する世界最古の伝統国家日本を確実に次世代に引き継ぐ、その責任を担う政治家として、

私は「保守」なのです。

2. 上杉鷹山 伝国の辞

現存する世界最古の国である我が国には、優れた為政者が沢山いました。
だからこそ滅びず続いてきたとも言えると思います。
その中でも、私が為政者の道徳律の極みと崇める政治理念を残した人がいます。
それは上杉鷹山です。上杉鷹山は、米沢藩第9代藩主で、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も…」の格言で有名ですが、もう一つ素晴らしい言葉を残しています。それは、彼が次の藩主に家督を譲るときに残した言葉で、伝国の辞と呼ばれています。

伝国の辞 (現代語訳)
一、国家は先祖から子孫に伝えるところの国家であって、自分で身勝手にしてはならない
一、人民は国家に属している人民であって、自分で勝手にしてはならない
一、国家と人民のために立てられている君主であって、君主のために立てられている国家や人民ではない

たった三条ですが、為政者の心得を簡潔明快に示し、民のための政治と高い道徳心を求めています。これが為政者から次の為政者へ送られた言葉であることも素晴らしいと思います。

一言で言えば、「己を捨て、民に尽くせ」でしょうか。
世界に誇るべき我が国に実在した為政者の心得です。

現代の我が国の政治権力は、主権者たる国民からお預かりしたものです。
政治は国家国民のためにあるという原点を忘れた政治に、今、国民は不信感を抱いているのだと思います。

私は原点を忘れず、上杉鷹山の想いを受け継げるような、そして次世代に引き継げるような政治家を目指したいと思います。

3. 仁政

仁政とは、為政者が人々をいたわり、いつくしむよい政治という意味で、私が政治家として一番大切だと思っている言葉です。

仁政は、中国の政治思想では、為政者が思いやりをもって民に恩恵を施し、民心を獲得するよう主張する思想として最高の価値とされています。天皇家や公家、徳川家や上杉鷹山のような藩主などの我が国の多くの為政者は中国の政治思想を熱心に学んで統治に活かしたと言われています。私も孔子が大好きで、論語の中でも「仁」が最高の徳目とされています。

我が国には、仁政の実践として、国見(くにみ)という為政者の行いがあります。これは、天皇や地方の長が高い所に登って、国の地勢、景色や民の生活状態を望み見ること、という意味で、古事記には、仁徳天皇は山に登って、「国見」をして、民のかまどから煙が見られないのを見て、民の生活が困窮していることを察し、税金や使役を三年免除し、自らも住居の修繕や食事を倹約し、三年後に、「国見」で村に煙を確かめてから、税金を納めるよう指示をしたと書いてあります。仁徳天皇の治世は仁政として知られ、崩御後に奉る「仁徳」の称号もこれに由来しています。

今の日本の政治に欠けている統治の視点こそ、仁政だと思います。

ポピュリズムに陥ることは絶対に避けなければなりませんが、国民の心が離れてしまった政治に信頼を取り戻すためには、政治家一人一人が仁政を実践していかなければなりません。

4. 近江商人の三方よし

我が国には、優れた為政者だけでなく、優れた商人も沢山いました。

その中でも、私は近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方よしの理念にとても共感を覚えます。これは、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならないという理念です。

近江商人は神仏への信仰が篤く、規律道徳を重んずる者が多かったと言われています。成功した近江商人が私財を神社仏閣に寄進したり、地域の公共事業に投資したりした逸話も数多く残されています。

我々日本人は西洋人のような「自然を征服する」という考えではなく、自然を畏れ、自分たちも大自然の一部にすぎないという自然観を大事にしてきたからこそ、このような「公」のためにという精神が、為政者だけでなく、民の中でも共有・実践され、「おかげ様」、「お互い様」という協調・調和を重んじる助け合い精神が育まれてきたと思います。そしてその精神は、東日本大震災の時に世界が感嘆した、日本国民がみせた絆、そして高い規律道徳として現れていると思います。

私は現代を担う政治家として、この調和の精神を次世代に受け継ぎ、世界に広めていきたいと思います。

◯“次世代の党”の理念

自立
次世代の党は、「自立した国家」「自立した地方」「自立した個人」を実現する。福澤諭吉のいう「一身独立して一国独立す」の精神は、今こそ全国民が想起すべきである。戦後の高度成長に酔い痴れ、会社や政府に依存する「甘えの構造」とは訣別しなければならない。中央集権・官僚支配体制とその規制に守られた既得権益を打破するとともに、衆知を集める「賢く強い政府」を実現することにより、個人が将来に希望を持てる社会システムを構築する。

新保守
次世代の党は、世界最古の皇室を戴く「一国一文明」とされる日本の伝統的価値や文化に立脚し、国家と個人をつなぐ社会の最小単位としての家族や地域の「絆」の再構築を支援する。世界情勢の変化にも柔軟かつ強かに対応する「温故創新」を旨とし、個人の自由と社会の秩序を調和させることを通じて、規律ある自由な社会を創る「新しい保守」の理念を実践する。他方、リベラリズムの衣を纏った社会主義思想は排除し、闘う保守を貫く。

次世代
次世代の党は、我々の子供や孫、まだ生まれぬ将来世代の視点に立って、戦後半世紀以上にわたって放置されてきた根本問題に真正面から取り組む。医療・年金等、社会保障制度の抜本改革は、世代間格差の是正のためにも喫緊の課題である。また、明治以来の大福帳方式(現金主義・単式簿記)を温存した財政制度を発生主義・複式簿記化することによって、合理的かつ戦略的な国家経営を実現する。